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Konaさんくるまよもやま話

 

 15.道具としての車と楽器について

 わりと物を書くほうで以前は筆記具に神経質でした。
万年筆でないとだめな性分で、国産のほかモンブランに始まりウォーターマン
ペリカンなどいろいろ試してモンブランに帰り着きましたがインク漏れなどのトラブルに悩まされた。
用紙も丸善で売っているのでなければ気持ちよく書けず
丸善が広島から忽然と消えたときは驚いて岡山の丸善から送ってもらっていたほどです。
今はワープロで書くようになって道具の心配がない(寂しいことだけど)。

家でわたしが使う包丁はほんらい果物ナイフの小型のもの。肉も魚も野菜もそれで切ります。
気持ちよく切れて小さくても結局いちばん気持ちよく使えるんです。
二十年くらい前に久留米の知人に連れられ行った鍛冶屋で買ったもので戦前は久留米連隊将校用の刀を研ぐ鍛冶屋だったらしい。
包丁が高価なのでとりあえず買ったナイフでしたが、それを今も使っている。

どんな道具も気持ちよく使えるに越したことはないが、楽器は芸術表現の手段で道具なので大変。
妻ノンは実家ではグランドピアノを弾いていましたが、若いころ独立してからは中古のアップライトでした。
それが二十年くらい前、グランドが弾きたいと言って国内外のブランドのピアノを
さんざん方々で試し弾きしたあげくディアパソン(日本)の新品を買うことにしましたが
なかなか気に入ったものがない。当時はバブルで楽器屋もゆとりがあったのか
二百万の楽器のために大阪神戸の楽器店の在庫の試弾のために交通費を出してくれました。
そうして弾きに行っても気に入ったものがなく、とうとう浜松のメーカーの倉庫まで旅費楽器屋持ちでノンは弾きに行きました。
ディアパソンはもとは独立したメーカーでしたが今はカワイの下にあり、フィアットの中のアルファロメオのようなブランドです。

二十年近く調整しながら使い続けたそのピアノがどうしてもノンは気に入らず
さいきん手放し超古いディアパソンのアップライトを買いました。

オガワさんと言って姫路でひとりでピアノビジネスされている方から買ったのですが
その展示場に行くと、展示場と言っても住宅街の豪邸ですが
世界中から集めたオールドのピアノが並んでいました。
オガワさんが、これはと思うものを買い付けて修復、調整と調律をして
商品にするのです(ここまで書いてお分かりでしょうが名車の世界と同じです)。

バイオリンのような弦楽器ではそうしたビジネスの人は多いが、ピアノは珍しい。
展示場でノンは世界中のピアノを弾いてそれぞれ個性のある優品ばかりでしたが、
れも一千万以下ですから弦楽器に比べて安いと思った。
でもノンが買ったのはそこでは番外編の三十万のアップライトなのですが。

ですがこれも調整と調律はなかなか大変で、姫路のオガワさんにときどき来てもらいメンテしてもらっています。
弦楽器はもっと大変です。プロの演奏家はバイオリンもチェロも一千万以上の楽器と
その二割以上プライスの弓を使っているはずですが、高価であればよいというものではなく演奏者の相性もあるので
楽器屋に買いに行ってすむようなものではないでしょう。
世界中から名器を集めてくれる業者の人と仲良くしておくのです。

娘のメイは幼時からチェロをしていましたが十歳のころ大人用の楽器を買わねばならなくなったとき
その時が来るのをひそかに恐れていたわたしは寒気がしました。
子どもでアマチュアですからぼつぼつまあまあのにしたが、福岡の業者に何台も運んでもらい
入手のプロセスはおもしろくもあり大変でした。
オールド(ヴィンテージ)でなく車で言えば中古に当たるもので
クレモナブランドのドイツ製です。弓はフレンチ。
クレモナはイタリアにある弦楽器の聖地のような都市で、有名なストラディバリもクレモナですが
そのクレモナブランドをドイツで作ったというもの。

車も道具です。人との関係は楽器に似ている。
楽器のように表現の手段ではなくて移動の道具にすぎないが身辺の道具では最大ですし
人を包み込んで動くもので手足の延長でもあるので或る意味楽器以上にたいへんな道具なのかもしれない。
その出会いも楽器と同じように縁なのかもしれません。

道具ならディーラーに出向いて新車を試乗して買えばよいというものですが
わたしにはそういうことがなかった。
意識したわけではなくどれもこれも縁と流れといえばそういうことでしょう。
人間関係が人生を左右するようなものであれば、車との出会いもそれに似たようなところがある。おもしろいものですよね。



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