WINCARS KURUMAYA KOZO
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ダイハツの軽自動車のエッセを代車そのほかの事情で何度か運転したことがあります。
無駄のないきれいな外観はしゃれていますし不満なく走る。
街乗り車としてよくできていて感心したのですが、ぜったいに自分では所有したくない理由がふたつあった。
それが解消されればタウンカーとして世界車になれるくらいと思うのに残念。
ひとつは長時間乗ると辛いシートで、これはダイハツの伝統のようなものですが
シートはシートメーカーが作っているはずなのにいまだに改善されないのが不思議。
もうひとつ乗りたくないもっと大きな理由は運転している間中、必ず視野に入るセンターメーターで
ダッシュボードの上に半円形の巨大なメーターナセルが飛び出ている邪魔くささはどうにも我慢できない。
どうしてダイハツはそのデザインを採用しているのでしょうか。
ひょっとしてマーケティングでターゲットと意識する若い女たちに見せたら
「キャーかわいい」、「かっこいい」などと言われて採用したのかもしれない。
それで販売が促進されるならぼくは文句言えません。
マツダのようなメーカーはぜったいに採用しないデザインでしょうね。
「車はこうあるべき」という筋を通しているメーカーのように見えるので。
それでややオタクっぽくなり、暗さがにじみ出てしまうなら難しいところです。
そうならないデザインにすればよいだけの話ですが。
日本の商品はすでに江戸時代以来、万人に売るためのデザイン
売れるための商品開発をしてきたようなところがあって世界で最初に消費社会の成立した国だと言われます。
ヨーロッパのメーカーは今でも「この商品はこう有るべき」と消費者に価値観を押し付けるところがあった。
車のメーカーもヨーロッパでは販売競争の前にコンセプトの違いを競うようなところがあった。
いまはメーカー側も消費者側も大衆社会の日本形に近くなっているかもしれません。
エッセのセンターメーターは「カワイイ」という発想なのかもしれない。
そもそも軽自動車は、とくに内装のデザインで「カワイイ」を意識しているかもしれません。
それに対しマツダや三菱はオタクな要素があるかもしれない。
じつは「カワイイ」も「オタク」も日本固有の価値観で、いまでは全世界に影響を与えています。
カワイイとオタクは対照的と思われるかもしれませんが、根は同じで弱い者、あるいは敗者の美学から出ている。
カワイイは古語では「顔(かお)映(は)ゆい」と書いて「面映(おもは)ゆい」と同じです。カオハユイ→カワユイ→カワイイ。相手を敬い恥ずかしいくらいに感じるときの形容でしたが、転じて子どもや動物など弱者に対する美称のようになった。
相手を前に顔がほてるような語感ですね。
「カワユイ」という言葉は江戸時代に名家の女中頭などのマダムが、陰間(かげま)(男娼)の若い男に対して
よく使ったそうですから、それから語意が転じたのかもしれない。
日本以外の国には弱いものや目下の者、敗者を尊重する価値観がないのでカワイイに相当する言葉がない。
欧米や中国韓国、イスラムの社会にあるものは
「強いものは弱いものより、美しいものは醜いものより、富は貧より、勝ちは負けより、知は愚より正しい」などなどですから。
韓流のアイドルにはブス、ブ男や中途半端なスタイルの人は居ないでしょう。
KARAにしても少女時代もみんな北朝鮮の「喜び組」のようなタレントです。
「美」であってカワイイとは違う価値観です。
オタクは負けの美学です。ほんらいは引きこもりのマニアックな世界です。
それがマイナスイメージにならず、さいきんは世界にアピールしている。
そういった風潮の世界ではクルマを含め商品はこれからどう進展るのでしょうね。