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Konaさんくるまよもやま話

 

 31.ディーゼル発電ハイブリッド

 EV(電気自動車)の時代は近いようで案外遠いようにもシロートのぼくには感じられます。

郊外に親から引き継いだ荒地があるのですが、一年に一度、重労働でよい運動になる草刈をします。
エンジンの草刈機を使う。ぼくの家の周囲の草刈のためには音のしない電動の草刈機も買いましたが
長いコードを引っ張りまわすのが大変なわりにパワーがない。
バッテリー式の草刈機もあるようですが、これは十分か二十分間しか使えず問題にならない。

そんなことの直観から、いくら車載用高性能リチウム電池といえども電池の性能が今の五倍、十倍にならなければ
EV主流にはならないのではないか、そして理論的にそんな電池の可能性はあるのかないのか
専門家に聞いてみたいものだと思います。

そうこうするうちいつの間にかハイブリッドカーのシステムが広がり、F1やルマン24時間レースにまで
採用されるようですが、ぼくは詳しい仕組みを知らない。
ハイブリッドは今の電池容量だけでは電動で走れない車をエンジンで充電してまかなっているという一面もあるのではと思う。

その発想のハイブリッドなら船の世界では戦前からある。潜水艦。

むかしの潜水艦(そして今の日本の潜水艦)は海上を走るときはディーゼルで、同時に発電蓄電し、水中は電動で走りました。
江田島の海上自衛隊幹部候補生学校参考館の脇に真珠湾攻撃に使った本物の特殊潜航艇が断面に切って置いてありますが
艇内の大半のスペースをバッテリーが占めています。
それでもむかしはバッテリーの性能が低かったので、潜水艦は水中もときどき走ることのできるフネと言う程度のものでした。
現在のものは水中をかなり長時間航走できます。

一般の船もディーゼル発電で電動航走のシステムはむかしからあってディーゼルエレクトリック(DE)と言う。
有名なところでは初代南極観測船の「宗谷」。砕氷船に電動船が多いのは氷海を前進行進を繰り返しながら行くからで
電気のほうが前後の切り替えが簡単だから。
しかしむかしはタンカーのような大型船もDEがあった。
外洋に出た船のディーゼルエンジンはひたすら経済速度の低回転ですから
わざわざ発電しモーターで走らせるメリットをぼくは知りません。

大型船のエンジンは家のように巨大で、それに比べればモーターと発電機は小さいので
分散した小さなディーゼルエンジンで発電すれば省スペースになるというメリットでもあったのでしょうか。
後進に切り替えるミッション系が省略できる利点はあります。

ちなみに船の場合、海そのものがトルクコンバーターなのでそれは要らない。
効率を上げるためにプロペラのピッチを変える船もあるけど。

宮島航路のJRフェリーは今では日本でゆいいつの「連絡船」ですが
最新の船はDEです。これは理由が分かります。
船の前後にスクリューがあってエレベーターのように行ったり来たりの往復ですが
エレクトリックなら一機のモーターでミッション不要。
それにいきなり強いトルクの欲しいときは電動のほうが省エネで
宮島航路は出港すると十分で対岸についてしまう繰り返しなので意味があるのかも。
この船が就航したときは音の静けさも歌っていましたが、ふつうのディーゼル船に比べて、そのメリットは感じません。
もともとこのごろのディーゼルは無音で振動もないからです。

DEは鉄道にもありました。山陰線のような非電化線をゆく機関車です。
強力なトルクコンバーターやミッションの取り回しとトラブルを避けるためのシステムだったと思います。
今はハイテクでそんな面倒なことはしません。
ディーゼルはディーゼルでがっちり走ります。
そんなふうに考えるとハイブリッドは案外に古風で単純なシステムなのかもしれない。
今は電脳化され複雑に見えるだけなのかもしれません。



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