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Konaさんくるまよもやま話

 

 4. フランス式

「手術は成功したが患者は死んだ」という表現があります。
理論は正しいが結果が伴わないということで、イタリア人とドイツ人にはそんなところがあります。
なのに日本の車のメーカーがドイツやイタリアを意識してきたのは日本人も理論に弱いからかもしれません。

フランス人が合理的な民族というのはその通りで、手術は成功しても患者が死んでは意味がないと考えるから。
そんなことは当たり前じゃないかと言うかもしれませんが、そこまで行くには知の判断力と演出力が必要なんです。
職人魂ではなくて博士的なものと言っても良いかもしれません。

ドイツやイタリアの高性能車は立派なタイヤを履きます。
走行性能のためですが、立派なタイヤを履くことのデメリットも多い。

①タイヤのコストが増す。
②バネ下重量が増えて乗り心地に影響する。
③タイヤが大きくなり実用容積が減る。
④ころがり抵抗が増えて燃費に影響する。などでしょうか。

安価で薄いタイヤをはいたままで走行性能や乗り心地の向上ができないかとフランス人は考えるのです。
シトロエンがハイドロと言うシステムを考えたのもそのためで、奇をてらったのでも無理をして近未来にしたのでもない。
合理性の賜物です。

しかしもっと合理的に走行性能をよくするには車よりも道路そのものを完璧にすればいい。
簡単なことです(実際の工事とメンテナンスは大変かも)。フランス人はそう考えました。

日本の列車がごっとんごっとん走っていた時代、日本の新幹線がゴーゴー唸って走っていた時代に
フランスの列車は音もなく滑るように高速で走っていたものです。
車両そのものもさることながら線路を完璧に平らにまっすぐに維持し
超ロングレールで平滑にすれば走る列車はすこしくらいボロでも快適に走る。
そういう考え方ですね。

そういうわけでフランスの高速道路も一般道路も見かけは簡素ですが、完璧な舗装がしてあります。
どんな田舎に行っても。 日本の道路がガードレールや防音壁など装置は過剰なのに
肝心の舗装そのものが粗末なのとはじつに対照的です。

シトロエンのハイドロは宇宙船のような乗り心地を約束しますが
エグザンティアはでこぼこの道にはすこし弱かった。
フランスにそんな道路はないからです。
グローバルな時代に後継のC5はどんな道路にも対応していますが
そのかわりハイドロ独特のフラット感はすこし失われている。

フランスは曲がりくねる道路も少ない。国土がだいたい平坦で
書いたように道路をなるべくまっすぐにという発想もあるから。
でも、シトロエンのハイドロもちゃんと曲がって走ってくれるし
列車で行くようなスムーズな感覚はカーブでもそのままです。
その代わりフットワークのダイレクト感はありません。

ノンちゃん(妻)用の車はワーゲンのルポですが
ワーゲン姉妹の末っ子で小さな車なのに太くて立派なタイヤをおごらされ
過剰な装備ではないかと思いながら、山道を飛ばしコーナリングで踏ん張るストレートな感覚を味わうと
車はこうでなくてはと思う。
合理的ではないかもしれないが車の古典のおもしろさはあります。

ついでにといってはルポかわいそうだけど、ルポを買った経緯を書いてみます。
市街地のマンション住まいから郊外の戸建てに越したとき
ノン(妻)用の車を考えました。
ドイツ車はしっくりこなくて持ったことがなかったのですが
あるとき石内バイパスを走っていたらゴルフのカブリオが四十万で出ていた。
わたしは天井に穴のある車でなければだめな人で基本サンルーフ付きです。
だからオープンに憧れもあるけれど実用的ではないと思っていたのですが
ゴルフなら四人乗りで、セコンドカーなら問題ない。
それがいつしか三十万の値札になったとき買いかもしれないと思い試乗しました。

2003年式くらいだったと思う。
勝手に乗ってきてくださいと言われ、美鈴が丘まで往復
オープンにして上り坂をフルスロットルで走ると予想外な歓喜でした。
外観はカローラのようなのに内部は工場の制御パネルのようなすこし前のワーゲンのドイツ的雰囲気を残していて
轟音とともに突っ走る感覚は戦車でした。
グワーッと迫力があり、「ドイツ車だあ」と思わず叫びそうになった。

間をおいたらそれは売れてしまった。でもワーゲンのおもしろさを知り
ルポを探すことにしました。
ポロほどの大きさも要らずポロはデザインが好みではなく
ルポのほうがノンに似合うと思ったから。

そう思っていたら広島内陸の田園の車屋さんに四十万のルポ・コンフォートがあると知って乗りに行きました。
田舎を試乗し感じたのはとくに個性はないが悪くはないと言うものでした。
しかし三万数千キロしか走っていなくて新車のようにきれい。
三十万でいいと言われて買いました。

自分の車として乗ってみると噛めば噛むほど味の出る、なかなか深い車でした。あなどれないと思った。
小さな車に1,4リッターなのにパワーを感じません。
そのくせディーゼルのような音がする。燃費も意外に悪い。
エンジン音とロードノイズで走る重厚さはやはり戦車です。
車格を超えた走りの安定感はすごい。
とくに高速道路はまっしぐらにどこまでも飛ばして行ける。

シトロエンのエグザンティアやC5は運転しなくても(実際には運転するのですが)
勝手に走ってくれると言う感覚で地の果てまで行ってしまいそうですが
ルポは自ら運転して地の果てまで行けそう。
日本のコンパクトカーや軽自動車のクッタリとした感覚では味わえない。
かっしりとしたシートに座る気分はすこし前のドイツそのままです。
メーター周りも奇をてらったものがなくて工場みたい。悪くありません。

ふだんC5に乗りながら、口直し(?)にときおりルポを動かしてガ――ッと走らせると元気が出てよいのです。
長年ペーパードライバーだったノンも車の運転がこれほどおもしろいとは思わなかったと言って飛ばしています。

 

 

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